弊社製品 SXスクリュー(特許第3097848号)について
1.SXスクリューの特徴
- フルフライトスクリュ−の山と山の間に4条ネジを切り、ネジは谷からゲ−ト(山)へと向かう。この繰返しとなる。
- ゲ−トからゲ−トまでの角度を120度とする。よって1回転で3回ゲートが作られる。角度は120度より大きくても小さくても良い。
- 1条と2条のゲ−ト角のずれを30度とする。ずれの角度が小さくなればゲートとゲートの隙間が大きくなり、圧力が上がり練りは良くなる。
ずれの角度が大きくなれば、ゲートとゲートの隙間が多くなり、圧力が下がり練りは悪くなる。
2条と3条と4条も1条と2条のゲートのずれの角度と同じにする。
- コンプレッションゾーンからメタリングゾーンの間にSXをいれる。
基本はダイよりホッパ−側に、3ないし4山メタリングゾ−ンを設けてSXを入れると良い。
- ゲ−ト径はコンプレッションゾーンから、メタリングゾーン(入口→出口)にかけて谷径とゲ−ト径は準じ変化する(大きくなる)。
- SXの山数は、コストパフォ−マンスを考慮すると、8山ぐらいが適当である。混練効果をあげたければ山数を増やす。
- ゲ−ト数は、(8山×3ゲ−ト)−2ゲ−ト=22ゲ−ト、8山より多ければゲ−ト数も多くなる。
- 全ゲ−ト数は.上記G の、22ゲ−ト×4条=88ゲ−トとなる。8山より多ければ全ゲ−ト数も多くなる。
図1 インジェクション仕様例
 図2 上記拡大写真
2.SXの混練効果
- 樹脂は熱伝導率が悪いので、シリンダ−からの熱で、大福餅の様に周りが溶け餡子の部分が溶けずに残ってしまう事になる。この現象を効果的に解決するために考えたのがSXである。
- 樹脂の性質として温度が上れば流れが良くなり、下れば悪くなる。
この性質を利用して、SXは、ゲ−トを設ける事により、谷からゲートへ樹脂が向かうと圧力が立ち始める。
温度の高い樹脂は先送りされ温度の低い樹脂はゲ−トにより圧力が加わり薄く延ばされ更にシリンダ−から熱をもらい溶融が進む事になり、たえず大福餅の皮を破り餡子の部分を溶かして行く事になる。
これにより溶融も進 み温度分布が均一になり混練も進む。
- SXは、ゲ−ト間を30度(用途により30度でないほうが良い場合がある)にする事により、スタ−トから90度先送りされ、全部のゲ−トかゲートとゲ−トの間を通過して、120度の位置、すなわちスタ−ト位置に戻る。
これを22回繰り返しながら、徐々に無理なく混練を行い、最終段階で目的の混練になるようにゲ−ト径を調節する。
8山より山数が多ければ更に混練効果はあがる。
- SXは短い距離で瞬時に圧力が加わり、ゲート山巾が狭いため、瞬時に圧力を開放出来るのでメタリングゾ−ンの様に圧力が高いまま、幾山も送る事が無いので、発熱が少なくなる。
- フルフライトスクリュ−では押し側の山に樹脂が寄ってしまうので山と山の間のスペ−スが一部しか利用されていない。
SXは強制的に樹脂を先送りし、山と山の間のスペ−スを全体で利用するので混練効果は更に良くなる。
- SXは、構造上フライトを切る必要が無いので、メルトインデックスの高い樹脂ほど効果は上がる。
またフライトを切ると吐出量が落ちてしまうので、吐出量を上げるためにはフライトを切ってはいけない。
図3 SPVCのSX部写真
|