当社で取り扱うスクリュー材質の一覧です。
材質でお悩みの場合もご相談ください。
用途に最適な材質で製品を加工致します。

取扱い材質

スクリュー

KPS6SACM645SNCM439
SCM440SKC90VSKD11
SKD61QCM8ALLOY B2
ALLOY C276MAプラストハードSSUS630
SUS440CSUS316LSKC10V
SUS304シリコロイXVISTAVAX
プラストハードB2ALLOY625ALLOY718
ガラエポS45CミガキPOM

シリンダー

NEOC1000NEOC600NEOC400
H503neoH70neoH60neo
PALneoH851neo H852neo
HC90neo

鉄系鋼種

SCM440(クロームモリブデン鋼)

スクリュー材として一番多く使用されている鋼種です。

焼き入れ(フレームハード焼き入れ)
  • フライト部はHRC52~59位に焼きが入ります。
  • 焼き入れすることで耐摩耗性が向上します。
表面処理(ハードクロームメッキ)
  • ハードクロームメッキを施工することで樹脂の離形性が向上します。
  • 色変え性も良くなります。
  • ハードクロームメッキは硬い(表面硬度はHRC 65度前後)ので耐摩耗性が更に向上します。
価格

スクリューの中で一番廉価で沢山使用されている鋼種になります。

SNCM439(ニッケルクロームモリブデン鋼)

スクリュー材としては使用するのは少ないです。歯車に多く使われているようです。
ニッケルが少し含まれる事で焼き割れを改善できます。

焼き入れ(高周波焼き入れ)

フライト部高周波焼き入れ。焼き入れすることで耐摩耗性が向上します。

表面処理(ハードクロームメッキ)
  • ハードクロームメッキを施工することで樹脂の離形性が向上します。
  • 色変え性も良くなります。
  • ハードクロームメッキは硬い(表面硬度はHRC 65度前後)ので耐摩耗性も向上します。
価格

スクリュー価格はSCM440より少し高くなります。

SACM645(アルミニウム・クローム・モリブデン鋼)

アルミニュウムが入っているのとカーボン量が少し多いので、粘っこさと硬さが向上しています。

焼き入れ(ガス窒処理)
  • SACM645は90%以上は、窒化焼入して使用されます。
  • 鋼内部に存在するアルミニウム(AI)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)などの元素と窒素が結びついて硬い窒化層を形成します。
  • 表面硬度ビッカース1000位
  • 耐摩耗性はガス窒化処理で表面全体が硬くなるので、耐摩耗性は向上します。
表面処理(バフ仕上げ)
  • 窒化焼き入れをして、ハードクロームメッキを付けることは滅多にやりません。理由は窒化処理すると表面に硬い酸化膜が出来てしまいます。
  • 酸化膜を除去しないとメッキは付きません。このような理由でハードクロームメッキは無しになります。

電線業界では、山窒化、谷メッキという方法を採用しています。上記の様に谷部は窒化が無いのでメッキを付けることができます。

STAVAX ESR(プリハードン鋼)

プリハードン鋼とは、硬度を調整するため、あらかじめ熱処理が済んだ状態の金属材料のことです。大半がHRC45以下程度の硬度に調整し、高硬度でありながら被削性が良く、そのまま機械加工ができることを目的とした鋼材です。 スクリュー材としての使用は少ないです。

焼き入れ(フレームハード焼き入れ)
  • フライト部フレームハード焼き入れ。
  • 焼き入れすることで耐摩耗性が向上します。
表面処理(バフ仕上げ)

磨き後バフ仕上げ

工具鋼系

SKD61(熱間ダイス鋼)

硬さはHRC53~56程度と硬いので耐摩耗性は向上します。
スクリューとして使用に耐える靱性が有ります。

焼き入れ(雰囲気焼き入れ&真空焼き入れ)
  • 小さいスクリューは真空炉に入るので、真空焼入れになります。
  • 大きいスクリューは入る真空炉が無いので、雰囲気焼入れになります。
表面処理
  • ダイス鋼になると大半が焼き入れ後バフ仕上げになります。
  • ハードクロームメッキを望まれることがありますが、ハードクロームメッキの 乗りが悪く失敗が多いので避けた方が得策です。

SKD11(冷間ダイス鋼)

SKD11は、焼き入れ高度が高いので耐摩耗性は高いです。
反対に靭性が低くなってしまいます。

焼き入れ(雰囲気焼き入れ&真空焼き入れ)
  • 小さいスクリューは真空炉に入るので、真空焼入れになります。
  • 大きいスクリューは入る真空炉が無いので、雰囲気焼入れになります。
    一般的には、焼き入れ後窒化焼き入れと組み合わせて使用します。ガス窒化焼き入れ処理をすることで、適度に硬度が下がり靭性が増す為、スクリューとして使用できます。
表面処理

サンドペーパーで磨いた後にバフ仕上げします。

QCM8

QCM8はSKD11より硬度と靭性を強化した鋼種です。まだ実績が少ないので、これからの課題です。

焼き入れ(真空焼き入れ)
  • 小さいスクリューは真空炉に入るので、真空焼き入れになります。
  • 大きいスクリューは入る真空炉が無いので雰囲気焼き入れになります。
表面処理

サンドペーパーで磨いた後にバフ仕上げします。

KPS6(高周波プラスチックスペシャル鋼)

SKD11に近い成分にニッケルを追加して耐食性と靱性を付加した鋼種になります。

焼き入れ(雰囲気焼き入れ&真空焼き入れ)
  • 小さいスクリューは真空炉に入るので、真空焼入れになります。
  • 大きいスクリューは入る真空炉が無いので、雰囲気焼入れになります。
表面処理

サンドペーパーで磨いた後にバフ仕上げします。

超耐摩耗耐食系鋼種

SKC90V(バナジウム鋼)

粉末焼結合金で耐摩耗性、靱性、耐蝕性に優れた鋼種です。耐摩耗性においてKPS-6の3倍くらい向上します。耐蝕性においてはSUS630より上になります。テフロン系を除けば腐食の影響は小さくなります。

バナジウム(稠密六方格子構造、ちゅうみつろっぽうこうしこうぞう)

単に六方格子構造などと呼ばれます。この分子構造は滑り性が良いのでスクリュー用途にとても向いています。炭化バナジウムはHRC80前後で炭化タングステン(HRC70)より10も高いです。SKC90Vは堅くて滑りやすい性質が有るのでシリンダーにも優しい鋼種です。

焼き入れ
  • 真空焼き入れ
  • 真空炉が長さ1200ミリまでしか入らないので、これ以下の長さしか対応できません。
  • 耐摩耗性良好
  • 耐蝕性も良好
表面処理

サンドペーパーで磨いた後にバフ仕上げします。

価格
  • 材料代は高価です。
  • 滑りやすいので加工性は悪いです。
  • 価格は高くなります。

SKC10V(バナジウム鋼)

粉末焼結合金で超耐摩耗性で、靱性低くなります。

バナジウム(稠密六方格子構造、ちゅうみつろっぽうこうしこうぞう)

単に六方格子構造などと呼ばれる。 この分子構造は滑り性が良のでスクリュー用途にとても向いています。炭化バナジュウムはHRC80前後で炭化タングステン(HRC70)より10も高いです。
SKC10Vは堅くて滑りやすい性質が有るのでシリンダーにも優しい鋼種です。マイナスとして堅いために割れやすい心配が有ります。フィード径が細くなると耐捻れが弱くなるので使用に向きません。堅くなると耐蝕性も落ちてしまいます。

焼き入れ
  • 真空焼き入れ。
  • 真空炉が長さ1200ミリまでしか入らないので、これ以下の長さしか対応できません。
  • 超耐摩耗性。
  • 耐蝕性は少し落ちます。
表面処理

サンドペーパーで磨いた後にバフ仕上げします。

ステンレス系鋼種

SUS630(析出硬化)

析出硬化系ステンレスの代表鋼で、耐食性と高強度を兼ね備えています。
ステンレス鋼種は鉄系鋼種より柔らかいので、機械的特性は低くなってしまいます。

焼き入れ(析出硬化処理)

析出硬化することで、HRC40程度の硬さになります。

表面処理

サンドペーパーで磨いた後にバフ仕上げします。

シリコロイXVI(Silicolloy XVI)(析出硬化)

シリコロイXVIは化学成分のひとつにSi(ケイ素)を多量に含有する析出硬化系ステンレスで、高強度、高硬度、耐食性、耐熱性、耐摩耗性、耐焼付き性をバランスよく兼ね備え、オールラウンド性を有します。
シリコロイA2の改良鋼種で析出硬化系ステンレスとしては最高硬度HRC54以上(55~58程度)を実現します。耐食性はオーステナイト系よりは劣りますが、マルテンサイト系、フェライト系より良好です。腐食環境にもよりますがシリコロイA2より良好な場合が多いです。
析出硬化系ステンレスは、焼入型と異なった熱処理プロセスで、比較的低温の熱処理で高硬度化するため、焼入鋼のような問題(熱処理歪み、寸法変化、焼き割れ、酸化スケールの付着など)が少なく、加工プロセス改善に有効です。

焼き入れ(析出硬化処理)

析出硬化することで、HRC55~58程度の硬さになります。

表面処理

サンドペーパーで磨いた後にバフ仕上げします。

ALLOY718(析出硬化)

テフロン系の樹脂成形に使用される高級金属です。
超耐蝕性
超耐薬品性
欠点は柔らかいことです。
難削性鋼種です。

析出硬化型のニッケルクロム—鉄合金

ALLOY718は析出硬化型のニッケルクロム—鉄合金で、相当量のニオブおよび モリブデン、ならびにより少量のアルミニウムおよびチタンを添加しています。
本合金は焼鈍した状態で延性が良好で、700°C(1300°F)までの温度で高強度を 有します。溶体化焼鈍および析出硬化させた状態で納品することが可能です。焼鈍した状態で製造加工特性が良好 引張り強度、疲労強度およびクリープ破断強度が良好 700°C(1300°F)までの高温における強度が高です。 
1000°C(1830°F)の温度までの耐酸化性が良好
極低温環境における優れた機械的特性  低温、高温下の優れた耐腐食性、ならびに応力腐食割れおよび孔食に対する耐性が良好
アーク溶接および抵抗溶接プロセスによる溶接性が良好(溶接後割れの心配がありません)

硬度
  • 圧延を繰り返し加工硬化させた鋼種
  • HRC40~45位の硬さ。
表面処理

サンドペーパーで磨いた後にバフ仕上げします。

SUS440C

SUS440Cマルテンサイト系ステンレスで、熱処理(焼入・焼もどし)により、高強度、高硬度を得られます。ステンレス鋼の中では最も高硬度を有する鋼です。

焼き入れ

真空焼き入れ又はフレームハード焼入れ。

表面処理

サンドペーパーで磨いた後にバフ仕上げ。

SUS304

オーステナイト系ステンレス全般にも共通しますが、SUS304は伸ばしやすく、
粘りの強さがあります。そのため、深絞りや曲げ加工などもしやすく、鉄などの他の材料との溶接性にも優れます。錆びにくく、低温・高温下でも扱いやすいのも特徴です。

焼き入れ

オーステナイト系ステンレスなので、焼き入れを行っても、効果は微小です。

表面処理

サンドペーパーで磨いた後にバフ仕上げします。

SUS316L(Lはローカーボンを表します。)

SUS316Lは、磁性のないオーステナイト系ステンレスです。
硬度が低いのでスクリューに使用されることは珍しいです。
耐蝕性重視で使用されます。

焼き入れ

焼き入れは出来ない。

表面処理

サンドペーパーで磨いた後にバフ仕上げします。

価格

材料代が高くなるので、価格は高くなります。

超耐蝕性耐摩耗系鋼種

ALLOY-C276(ニッケル基合金)

テフロン系の樹脂成形に使用される高級金属です。
超耐蝕性を有しています。
超耐薬品性を有しています。
欠点は柔らかいことです。
難削性鋼種です。

焼き入れ

ニッケルの含有量が多いので焼き入れは出来ません。

表面処理

サンドペーパーで磨いた後にバフ仕上げします。

難削性鋼種です

ALLOY625

ニッケル合金

耐食性について
ALLOY625は、高い合金量のため広範囲の厳し腐食環境に対して良好な耐食性を示します。例えば腐食環境の弱い大気、淡水、海水、中性塩類、アルカリ類にはほとんど腐食されません。さらに厳しい腐食環境においてもニッケルとクロムとの組み合わせにより酸化性の化学薬品に対して耐食性を有し、さらにニッケルとモリブデンの高い含有量によって、還元性の雰囲気にも耐食性を示します。
モリブデンは孔食と隙間腐食に対して優れた抵抗性を持ち、またニオブは溶接中における鋭敏化を防ぎ、それによって粒間割れを防止する効果があります。さらに、高ニッケル含有量は塩素イオンによる応力腐食割れを阻止します。これらの特性によって、この合金は幅広い腐食条件に対して使用可能となっています。

焼き入れ

ニッケルの含有量が多いので焼き入れは出来ません。

表面処理

サンドペーパーで磨いた後にバフ仕上げします。

難削性鋼種です

MAプラストハードS

スクリュー用に開発されたのがMAプラストハードSです。
ニッケルは焼き入れが出来ないので、そのままでは柔らかくてスクリューには向きません。

素材でΦ50までしか製作出来ないので、加工最大径はΦ48ミリまで。

純ニッケル近いと聞いています。
超難削材

硬度

圧延を繰り返し加工硬化させた鋼種、HRC40~45

表面処理

サンドペーパーで磨いた後にバフ仕上げします。

ALLOY B2

シリンダー材。 スクリュー材。 素材でΦ50以上のスクリューは、プラストハードB2で代用します。耐食性と耐摩耗性を要求される特にフッ素樹脂形成装置に使用されます。

耐蝕性

ALLOYB2は炭素およびシリコン成分を最小限に抑えることで溶接時に熱影響部に形成される炭化物やその他の相の析出を減らし、溶接後未処理の状態においても十分な耐腐 食性を確保します。
ALLOYB2は広範囲の温度条件および濃度条件において塩酸などの腐食性の高い還元媒体に対して優れた耐腐食性を示します。また、塩化物が若干混入した中濃度の硫酸に対しても耐性が高く、酢酸やリン酸に対しても使用できます。耐腐食性を最大限に発揮するには、冶金的に正しい状態に材料が保たれ、構造的にも問題のないことが必要となります。

主な用途

ALLOYB2は化学プロセス工業における広範囲な用途、特に硫酸、塩酸、リン酸、酢酸を扱う用途に使用されます。特別な要求事項については、材料供給業者に問い合わせる必要があります。

表面処理

サンドペーパーで磨いた後にバフ仕上げします。

特殊素材

ガラスエポキシ(ガラエポ)

エポキシ樹脂(液体)をガラス繊維に含ませ、熱硬化処理を施することで積層板 (積層棒)にした樹脂素材のことを指します。難燃性、耐熱性、強度、優れた低導電率などを兼ね備えているため、板状のガラスエ ポキシはプリント基板の材料としても広く活用されています。

用途
  • モーターの回転しを送る装置に使用するフィーダーのネジ加工をしています。
  • 素材が1メーターになっているのでその範囲の加工を行います。

POM(ポリアセタール樹脂 又は ジュラコン)

耐疲労性があり破損しにくいプラスチック樹脂は、繰り返し過重を与えると機械的
強度が低下して、疲労を起こします。
POM樹脂は耐疲労性に優れるため、繰り返しの動作による材料の破損や故障が容易に発生しません。
耐久性にも優位性があり、金属の代替品として、さまざまな製品に使用されています。

用途
  • 機械部品の代用で稀に加工することがあります。
  • 一般的にはインジェクションで歯車成型用樹脂として採用されています。